【産地レポート2023】ホンジュラス3日目
この日はラ・フォルトゥーナ農園を運営するフランクリンさんの息子デニルソンさんが終日案内してくださいました。
マドリッド一族もまた、地域に古くから根ざすコーヒー生産者一族で、コミュニティの多くが親族という環境でコーヒー生産をおこなっています。
この日はその中から若い生産者の農園を中心に訪問しました。
最初に向かったのはエル・ダント農園。
実は昨年も訪問していたのですが、到着してすぐに雨が降り出したので引き返したのでした。
盆地で秘境感のあるロケーションに一面育つコーヒーの木はとても神秘的で、今回はゆっくり散策することができました。
ダントとは動物のバクのこと。農園内でよく見かけるそうで、捕まえたりせず共生するようにしていると農園主のカルロスさんは話していました。
話題はやはり労働者不足の内容になりましたが、消費国からは見えにくいリアルな話がいろいろと聞けてとても勉強になりました。
その後、同じく若い生産者が運営しているエル・ルビー農園へ。ここも実は昨年少しだけ購入させていただいた農園です。
小さいながら日当たりの良い斜面にコーヒーが栽培されていて、まだ大学生でなかなか来れない農園主のために親族みんなで支えているとのこと。
コミュニティの強みをフルに活用した農園運営の形を見学させていただきました。
その後、エル・ダントのカルロスさんが新しく購入した農園を見学し、最後は毎年購入させていただいているラ・フォルトゥーナ農園へ向かいました。
ちょうど最後の収穫の時期を迎えていて、農園内ではピッカーたちが作業をおこなっていました。
完熟のチェリーだけを収穫する人、その後にすべてのチェリーを収穫する人、収穫されたチェリーを選別する人、いろんな役割を分担して効率よく作業されていました。
同行している近藤も少し収穫を体験させていただきましたが、完熟のチェリーのみを選びながら効率的に収穫するのがとても難しかったそうで、改めて労働者たちのレベルの高さを感じたそうです。
夜にはフランクリンさんも合流してくださり、一緒に夕食を食べました。
収穫を手伝った話を聞いたフランクリンさんはポケットから1レンピーラ札を取り出し、お給料と書いて近藤に渡していました。
こういったユーモアが彼らしく、短い時間でしたが楽しい時間を過ごしました。
デニルソンさんの丁寧な説明と、マドリッド一族の熱い想い。
先日のダニーさん同様に、この土地でコーヒー生産者を続けていく覚悟を持った人たちの、本気の仕事の一端を見た一日となりました。