ワインとコーヒー
コーヒーについて、近年はワインのように扱われる場面によく遭遇します。
生産地や農園、気候条件や土壌、栽培方法、収穫のタイミング、
収穫後の精製処理、そしてテロワール。
他にも多くの要素が共通のポイントとして挙げられますが、
考えてみればこれって全ての食品に当てはまることなんですよね。
魚だって海が違えば味は変わります。
お肉だって育った環境が違えば質も違ってブランドも生まれます。
野菜だって栽培方法を変えれば見た目も食感も変わります。
もちろんコーヒーもひとつの食品。
コーヒーが育つ全ての要因で味は変化するのです。
そう考えると、国ごとに味を決めつけるのはナンセンスに思えますよね。
同じ国だって味はガラリと変わります。
ひとつ例をあげるとすれば、
現在工房で販売しているエル・ネグリートとサン・ホセ。
実はこの2農園は隣り合わせに位置します。
両方飲んだことがある方は驚かれると思います。
隣り合わせに栽培されたコーヒーなのに、全く違う味を持っているんです。
おもしろいでしょ?
話が反れましたが、ワインとコーヒーが決定的に違うところ。
それは「コーヒーは半製品である」というところでしょう。
ワインはコルクを抜くと、完成品として味わうことができます。
しかしコーヒーは味わう直前に「抽出」という作業が必ず入るのです。
そしてこの抽出は多くの場合、お客さん自身が家庭で行います。
ここで抽出されたコーヒーこそが、そのコーヒー豆の完成品です。
コーヒーとワイン。
同じように括られますが、大きな違いがあるのも事実です。
そんなこんなで徒然と語りましたが、
最近ワインに興味が湧いている年頃です。
先日参加したワイン教室で出されたオーガニックワインの説明で、
それこそコーヒーの説明を聞いているかのような産地の話を聞きました。
似て非なるもの、ワインとコーヒー。
ますます興味がわいてきます。
(写真はエルサルバドルでワインを嗜む某夫妻の隠し撮り)