サビ病をご存知ですか?
今日は一日セルジオさんと一緒にカリオモンズでもお馴染みのエル・ポルベニール農園へ行ってきました。
道中、サビ病と呼ばれる木の病気に感染してしまった農園を見ながらの移動でしたが、想像を超える事態に驚きを隠せませんでした。
サビ病は葉に菌が繁殖して光合成を妨げてしまう病気で、金属にサビが出た状態に見えることからサビ病と呼ばれています。
サビ病に感染し養分を作ることができなくなった葉を木は自主的に落としていきます。
それが木全体に拡がることで結果的に枝だけの状態になってしまい、こうなってしまうと土以外から全く養分を供給できない状態、いわゆる瀕死の状態になってしまいます。
この病気が数年前から中南米で拡がりはじめ、最近ではスペシャルティコーヒーを作りだす高標高のエリアでも見られるようになってきました。
非常に感染力が高く、一国のコーヒー産業を壊滅に追いやった過去もあるとてもやっかいな病気です。
早い段階から感染した葉を摘み取ったり葉に液剤を散布したりして対策をとらないと農園そのものができない状態になってしまいます。
道中で見た農園もこのサビ病に感染してしまい、適切な対策がとられないままコーヒーの木がほとんどの葉を落としてしまっていました。
こうなってしまうともう次年度の収穫はもちろん見込めませんし、木を切って新しい枝と葉を生やす(カットバック)を行うにしても木ごと抜いて新しい苗木を植え替えるにしてもしばらくの間、このエリアからは1円のお金も生み出せません。
ただでさえ生活水準の高くない農家さんたちです。
そもそもサビ病を発見しても液剤の購入もできないし、木の植え替えもできない状態です。
さらに売り上げがない数年間、今よりもっと大変な生活を強いられることになるでしょう。
ひとつの解決策として、サビ病に耐性のある品種への植え替えが有効な手段と言えます。
この画像にある青々と葉が茂っているエリアにはハイブリットカティモールと呼ばれる品種が植えられています。
サビ病に感染しない特徴を持っているため、画像左のエリアとは全く対照的な光景となっています。
しかし、このハイブリット種は味に関してはあまり品質の良いものとは言えず、スペシャルティコーヒー生産を目的としている農家さんたちにはあまり使用したくない手段と言えるでしょう。
こんなことが今、中南米のコーヒー生産国全体で起きています。
これから消費国である私たちがどのように考えどのように行動するか、自分自身を振り返る時期にきていると感じます。
100円でも無料でもコーヒーが飲める時代ですが、はたしてそれって本当に心が満たされる一杯なのでしょうか?