エル・ポルベニール農園へ!
昨日はカサブランカ農園にあるウエットミル(処理場)を見に行ったので、今日はいつもコーヒー豆を購入しているエル・ポルベニール農園へ行きました。
前回のブログでも書いたとおり、サビ病の影響がこのポルベニールにも来ていましたが、他の農園と違うところは葉がしっかりと残っているところと、感染しているものの新芽がどんどん出てきていることでしょうか。
感染が発見された初期段階から液剤を散布して対策をとってきていたそうです。
ただしこの液剤も結局は科学的なもの。
彼としては木や土壌の観点からもあまり使いたくはなく、木の栄養バランスをしっかりと保ち木そのものの免疫力を高めることでサビ病に簡単に影響されにくい育て方を試みているとのことでした。
自然に真っ向から逆らうことをせず、自身の力で感染を減らすようにしようと。
薬に頼りすぎると自身の免疫力が低下するのは人も木も同じですね。
考えてみれば同じ生き物だから当然のことなんですが。
このエル・ポルベニール農園では去年の6月から液剤の散布を始めたそうですが、治ってもまた新しい菌がどこからか飛んできて繁殖する、もう一度液剤を散布する、どこからか菌がやってくる、の繰り返しだそうで、そういったコストの面からも上に書いたような木の免疫力自体を高める方法が成功すればと言っていました。
この写真は治ったものと感染中のものの比較です。
下の葉は斑点がありますがすでに菌は繁殖しておらず治っていますが、上の葉は斑点部分に粉のような菌が繁殖しています。
この粉状の菌が例えば風で、例えば労働者の衣服に付着して、さまざまな方向に拡散していくのです。
ただし、セルジオさんの農園はそれでも木の生命力に溢れ、生き生きとした雰囲気が満ちているのは昨年から変わりませんでした。
セルジオさんの努力にコーヒーの木も必死に応えているような、そんな印象を受けました。
農園をどんどん奥に入り、まるで登山するかのような斜面をひたすら上っていくと、隣国ホンジュラスとの国境に辿り着きます。
昨年も来ましたが、今年も来たな?とじんわり感動してしまいました。
しかし上の写真の傾斜はすごいでしょ!
別に傾けて撮っているわけではありませんよっ。
今年は新しく加わった仲間やスタッフさんの参加もあったために大人数での買い付け出張となりました。
この写真の左側はホンジュラス、僕らが立っているのはぎりぎりニカラグアです。
セルジオさんの自宅へ戻ってからはさっそく今年の収穫分のカッピングです。
前回のブログで新しいプロセスに挑戦していると書きましたが、その結果は素晴らしいものでした。
まだまだ実験段階だそうですがこの感じならまず失敗はしていないと断言しても良いでしょう。
今までとは全く違った考え方のプロセスです。
常に高みを目指して新しいものを作りだしていくセルジオさん、本当に素晴らしい生産者だと思います。
明日からはまた他の生産者とともに行動します。
どんな発見があってどんな作り手がいてどんなコーヒーに出会えるのか、これだから産地はやめられません。
まだまだ自分も知らないことだらけ、どんどん吸収しないと!
【おまけの写真】
セルジオさんの自宅からほど近い場所に生えている木です。
樹齢はどのくらいになのでしょうか。
こうやって目の前に立ってみると、自然というとてつもなく大きな存在を前に僕らがどうあるべきかを教えてくれるようでした。