サン・ホセ農園と、、、
ラ・ベンディシオン農園を訪問した次の日はディピルト地区にあるサン・ホセ農園を訪問しました。
オーナーのエウドロさんも元気そうで、何より僕らの訪問を一段と歓迎してくれたように感じます。
まずは苗床に案内していただきましたが、エル・ネグリート農園にあったような腰の高さの立派な苗床が新設されていました。
これを使うと地面からの雑菌や害虫の被害を受けないことと労働者の負担軽減になること、そしてポットがこれまでのものより小さいため女性でも植え替えが容易にできること、従来のタイプよりも早く植え替えが可能になるなどの多くのメリットがあるとのこと。
ただ、サン・ホセ農園ではまだ新設したばかりで、この苗床と従来の苗床(袋に土を入れ地面に並べて育てる方法)とでどちらがこの農園にとって良いかを実験している段階だそうです。
その後、数年前に亡くなった彼のお父さんがかつて経営されていたロス・ピリネオス農園へと案内していただきました。
ここはサン・ホセ農園の上にあり、僕自身知ってはいましたが訪問したのは初めてです。
サン・ホセ農園のマネージャーさんに案内していただきましたが、ここには原住民が住んでいて自分たちの都合で山を焼いてしまうそうで、このマネージャーさんは少しでも川の水質を改善しようと毎年少しずつ松の苗木を植樹していました。
農園を上るとたしかに山の上部には木がなく、急斜面の草原が広がっているばかりです。
植えてもまた燃やされる。燃やされたらまた植え直す。
ずっとこの繰り返しで、一部に少しだけ焼け残った木が生えているだけでした。
山に木がなくなれば当然川が汚れ、コーヒーの栽培や収穫後に処理に影響がでます。
品質が落ちれば山を守ることすらもままならなくなり悪循環に陥ってしまいます。
「この山をまたたくさんの木があった頃に戻したい」
マネージャーさんの言葉がとても悲しそうに聞こえました。
以前から何度かサビ病についてのお話をしましたが、他にもojo de gallo、antracnosis、phoma、などたくさんの病気を見ることができる今回の中米訪問。
自然と共存することの大切さ、難しさを肌で感じる旅になっています。
もっとコーヒーという植物について学ばなければいけない、そう強く感じています。
農園を下っているとなんと七面鳥に遭遇!
初めてのことだったのでとても驚きました。
「七面鳥は追いかけて来るから気をつけてね?」とメンバーに教えられ、あえなく望遠で撮ることに。
エウドロさんはお父さんから継いだこの二つの農園を大切に守っていて、できれば今年からはお父さんのこともお客さまにしっかりと紹介してほしいと願っていました。
たとえばコーヒー袋のラベルで、店頭での話で、そしてブログで、彼の意思を尊重していければと思っています。