初めての国、ホンジュラスへ
エルサルバドルでの活動が終わってから、スタッフのアキラ君は日本へ、そして僕はホンジュラスへ向かいました。
一昨年からトライアルとしてお店で取り扱っているラ・チョレラのオルランドさんがいるためで、今回初めてのホンジュラス渡航となりました。
サンペドロスーラの空港に到着してすぐに他のメンバーとも合流し、ドライバーさんにさっそく連れて行ってもらったのはベネフィシオサンタローサ。コパンという地域にあるエクスポーターです。
さっそくカッピングをさせてもらった中に評価が高く個人的にとても気になるコーヒーがあり、エクスポーターの評価も僕以上に高かったことから、今回トライアルロットして購入させていただくことになりました。
コパンにはカプカスという生産者のコミュニティがあり、このカプカスでは約900の小農家がコーヒー栽培を行っています。
共同で使える機械設備や施設、コーヒーの他にもトマトやレモングラス、養殖魚などの産業で、万一災害や不作などでコーヒー生産に支障をきたした場合に別の産業で農家さんたちの生活をカバーする仕組みが構築されていました。
同時に、カプカス内でのコーヒー品評会や情報交換会、品質向上にむけたセミナーなども開催されており、地域一丸となってコーヒー生産に取り組んでいるといった印象を受けました。
さらに、所属する農家さんたちの子どもたちが通える学校のような教育設備や、生産国としてはかなり本格的なカフェテリアなどまでが整備されており、農家さんたちの満足度が高そうに見えたのがとても印象的でした。
僕が選んだコーヒーもこのコミュニティに属する農家さんのもので、カッピングの後に実際に農園へ連れて行ってもらうことができました。
それが写真に写るホセ・ルイス・リベラさんが経営するロス・リリオス農園。
リベラさんはちょうど農園にいらっしゃったので、僕のつなたいスペイン語で「あなたのコーヒーは本当に素晴らしかった。僕が購入させていただきます」と直接伝えることができました。
リベラさんもとても嬉しそうで、がっちりとかたい握手をしてくれた感触が今でも手のひらに残っています。
畑まで買いに行く、と書けばシンプルなのかもしれませんが、それが成り立つのは農家さんたちとの信頼関係があってのこと。
良いコーヒーがあればその場で本人に「美味しいから買うよ!」と返事をするくらいの熱意を持たないと農家さんが信頼してるわけがありません。
『この人は本当に美味しいものを求めてきているんだな』という姿勢を見てもらうのと同時に、『良いものきちんと評価してちゃんとした金額で買ってくれる』という感情を農家さんに持ってもらえるか、そこが信頼関係の第一歩だと毎年の買い付けの中で感じることができました。
やっぱり最終的には人と人とのお付き合いですので、『僕らも一緒に美味しいコーヒー作りに参加するよ!』くらいの意気込みで産地に行かないといけないなと今回の体験を通して自分にも言い聞かせることができました。
すでにホンジュラスのプログラムは終了して帰路についている途中ですが、とても刺激的で収穫のある渡航になったホンジュラス滞在となりました。