【声】003_ニカラグアにて
農園を訪問する時、生産者の子どもたちがついてくることも少なくありません。
毎年会う甥や姪のような存在の彼らたちは、無邪気な表情でさまざまなことを話してくれます。
ニカラグアの生産者マウリシオさんの娘メナちゃんが、小さい頃に言ってくれた言葉。
毎年日本から訪ねてくることをとても喜んでくれ、その関係がずっと続くようにと素晴らしいアイディアを出してくれました。
お父さんのマウリシオさんはのんびりとしたおおらかな性格でしたが、消費国からのニーズに応えるため、収穫の時間帯を変えたり細かく記録をとったり様々なことを実施。
結果、腰を強く痛めたことにより農園を売却してしまいました。
私たち消費国のバイヤーからの要求や世界のトレンドに応えるため、自分のペースを乱されることへのストレスも大きく影響しました。
メナちゃんが幼い頃に話してくれた未来は叶うことはなく、今ではマウリシオさんのコーヒーを飲むこともできません。
今でもニカラグア訪問時には毎回のようにホテルまで会いにきてくれるマウリシオさんやメナちゃんですが、大切な友人に会えて嬉しい反面、味わいの品質を求める私たちからの過度のプレッシャーが彼からコーヒー生産を奪ったのではないかと自問しています。