【産地レポート2023】ニカラグア5日目
再度サミュエルさんが時間を作ってくださいました。
日曜日は彼の新しい農園などを訪問したので、この日は私たちが実際に購入しているラ・エスペランサなどを訪ねました。
朝から農園内にあるサミュエルさんの実家に寄ると、彼がコーヒーを淹れてくれました。
「淹れるのは得意ではないけど、淹れるのは大好きなんだ」とサミュエルさん。
上手に淹れるよりも、その気持ちの方が大事だということを考え直す良い時間となりました。
農園ではこの日の朝からコーヒーの花が一斉に咲いたそうで、枝に雪を乗せたように一面真っ白な農園を歩きました。
山全体が香るようで、蜜を集める蜂の羽音を聞いながら高いところまで登り、サミュエルさんのお気に入りスポットだという、座れるほどの石と湧水がある静かで涼しい場所で休憩をしました。
気候変動の影響が大きなディピルト地区。
話はやはり今後のコーヒー農園についてになりましたが、この地域と彼らの歴史でもある伝統的なカトゥーラ種を栽培しながら、これからの気候に適した品種や生産方法も同時に模索し、より長くこの土地でコーヒー農家として在り続ける道を探しているようでした。
農家というのは基本的にはその土地から離れることはできず、変わっていく景色をそのまま受け入れるしかありません。
そういった状況が生産各国で広がるなか、品質の本当の基準はどこにあるのかを考えました。
彼らの挑戦について、私たちからは「ついていくよ」と伝え、山を下りました。
午後からは彼のコーヒーをカッピングし、いろいろな情報交換をおこないました。
渦中のカトゥーラ種はもちろん、彼のシンボル的な品種でもあるマラカトゥーラ種や、新しい農園で採れたばかりのカトゥアイ種などたくさんのコーヒーをカッピングしました。
コーヒーの評価ができない小さな農家にとって、消費国からくるバイヤーのフィードバックはとても大きな意味を持ちます。
その責任を感じながらも、みんなであれこれ話し楽しい時間を過ごしました。
日曜日に案内してくれた彼のいとこのコーヒーにも良いものがあったので、今年少しだけみなさんにご紹介できたらいいなと思っています。