el guaco エル・グアコを訪ねる。
エル・グアコ農園はアンヘルさんが数年前から運営を始めた農園です。当初はなんの設備もなく、ただコーヒーの木が植わっているだけでしたが、建屋や水洗設備など、少しずつ建設しながらコーヒーを栽培しています。
農園ではパカス種が栽培されています。この地域に最も適した品種のひとつで、サンタバルバラ地域のパカス種は、テロワール(地域特有の風味)の観点で世界でも有数の組み合わせのひとつと言えるでしょう。
2023年には隣の畑も買い取ってひとつにつなげました。「隣の畑は手付かずの森と繋がっている。森の延長としてコーヒーを栽培したい」との理由だそうで、自然環境を守っていく必要性を知ってる彼ならではの発想です。
この土地の自然環境を守り、この土地に住む人たちみんなが豊かに暮らせるようにしたい。と夢を語っていたアンヘルさん。その夢を、私たちは彼が作る素晴らしいコーヒーを消費者に紹介するという形で支えていきたいと考えています。
- エル・グアコ
ホンジュラスの名門生産地域サンタ・バルバラ。
この地域に古くからある輸出業者サン・ビセンテを管理するメンバーの1人がアンヘルさんです。
この土地で生まれ育ち、ずっと輸出業者としての人生を送ってきた彼はこの地域のコーヒー生産者からの信頼もとても厚く、まさにリーダーと呼ぶにふさわしい人物といえます。
輸出業者という立場から、コーヒー生産者と消費国のバイヤーとをつなげることを最優先する彼は、自分の農園のコーヒーをあまり積極的に売ろうとしません。
しかし、彼のその人柄に私たちが惹かれ、何度も頼み込んでようやく譲っていただけることになりました。
将来に向けて、どうやってこの自然環境を守り、どうやってコミュニティ全体が豊かになっていけるかを考えていると話すアンヘルさん。
私たちも長い時間をかけて関係性を築きたいと思っています。
収穫年ごとの豆の特徴
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2023
【Pacas_Natural】 発酵由来のやや重心低めのボディ感があります。甘さはラム酒やビターチョコレートといった落ち着いた印象ながら、ナチュラルプロセス特有のブルーベリーやラズベリーといったジューシーな果実の風味が豊かに感じられます。そのままの余韻が長く続きますが、ミントのような清涼感がほのかにあり、あまり重たさを感じさせません。農園内に建設している設備が整っていくのに比例するように、年々品質が安定しているように感じられます。
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2022
【Pacas_Natural】 コーヒーの果肉を干して作るカスカラティーやブラックカラントを思わせるエレガントな味わい。適切な発酵から得られる赤ワインのようなアルコール感とボディが全体をふくよかな印象にしていて、チョコレートからハチミツのような蜜感へと変化する豊かな甘さが後味まで続きます。ミルクとあわせると紅茶のように変化し、アイスにするとまるでフルーツのジュースのよう。まさしく体験型のコーヒーと言えるでしょう。